【安全知識】トンネルの出口で目がくらむ?高速道路の「暗順応・明順応」と、赤じゃないのに止まる「トンネル信号」の謎
高速道路を走っていると、突然現れる長いトンネル。
中に入った瞬間や、出口から出た瞬間、
「一瞬、前が見えにくいな」
と感じたことはありませんか?
それは目の錯覚ではなく、人間の体の構造上、避けられない現象です。
また、トンネルの入り口に**「信号機」**がついているのを見たことはありませんか?
「高速道路に信号?」と驚くかもしれませんが、これには重要な意味があります。

今回は、トンネルや夜間の高速道路に潜む**「視界の罠」**について解説します。
■ 1. 目が追いつかない!「暗順応」と「明順応」
明るい場所から急に暗い場所へ。またはその逆。
人間の目は、光の量を調節するのに時間がかかります。
1 暗順応(あんじゅんのう):
明るい所から暗い所へ(トンネル入口)。目が慣れるまで時間がかかり、一時的に視力が落ちます。
2 明順応(めいじゅんのう):
暗い所から明るい所へ(トンネル出口)。目が眩んで、一瞬ホワイトアウトします。

【対策】
・トンネル手前で減速する: 見えなくなることを見越して、スピードを落とします。
・車間距離を確保する: トンネル内のトラブルを考慮し、余裕を持った車間距離を保持します。
・ライトは早めに点ける: 最近はオートライトが多いですが、トンネルに入る前から点灯しておくと 安心です。
・サングラスを外す: 昼間でも、サングラスをしたままトンネルに入ると真っ暗になります。
■ 2. 高速道路に信号機?「トンネル信号」
長いトンネルの入り口には、四角い信号機がついていることがあります。
これは**「トンネル内の状況」**を知らせるためのものです。
黄色信号の意味は「注意(渋滞)」
一般道の黄色は「止まれ」ですが、トンネル用の黄色(点滅または点灯)は違います。
・意味: 「この先で渋滞などが起きています。注意して進んでください」
これを見落として「青と同じだろう」とスピードを出して突っ込むと、暗順応で視力が落ちているため、渋滞の最後尾に気づかず追突してしまいます。
**「黄色=中で詰まっている」**と覚えておいてください。

赤信号は「進入禁止」
赤色は、文字通り**「絶対に入ってはいけません」**。
トンネル内で火災や重大事故が起きています。入ると命に関わります。
■ 3. 夜の高速は「スピードが出過ぎる」
最後に、夜間の高速道路の怖さです。
景色が見えず、周りが暗闇になると、人間の**「速度感覚」**は麻痺します。
「時速80kmくらいかな?」と思ってメーターを見たら、**「時速100kmを超えていた!」**なんてことがよくあります。
なぜ速くなるの?
流れる景色(ガードレールや木々)が見えにくくなるため、脳が「遅い」と錯覚してしまうからです。
(※吸い込まれるように眠くなる「高速道路催眠現象」も起きやすくなります)

【対策】
感覚に頼らず、**「こまめにスピードメーターを見る」こと。
そして、前回の記事でお伝えした「車間距離(100m)」**を、昼間以上に意識して守ってください。
【体験談】高速道路に「サルの群れ」!?
夜間は、お昼と違い周囲の情報が捉えにくくなり、前方の遠く進行方向の情報を得るのも難しくなります。
その結果、高速道路上の故障車や落下物に気が付くのが遅くなります。
また、高速道路では**「動物の飛び出し」を警戒する必要もあります。
私もこれまで、昼間の高速道路上で「ニホンザルの群れ」や「イノシシの親子」**と遭遇したことがあります。
当然夜間には、夜行性の動物(タヌキなど)が出てくる可能性も高くなります。
スピードを出しすぎていると、こうした予期せぬ障害物を避けることは不可能です。
■ まとめ|環境の変化に「目」を合わせる
今回のポイントを整理します。
1 トンネルの出入り口は、視力が落ちるので減速する。
2 **トンネル信号の「黄色」**は、中で渋滞している合図。
3 夜の高速は、スピードが出過ぎていないかメーターで確認する。
高速道路は、単調なようでいて、トンネルや夜間など「環境」が目まぐるしく変わります。
「見えにくいな」と感じたら、無理せず速度を落とす勇気を持ってください。
愛知ペーパードライバースクールでは、
「トンネルの運転が怖い」
「夜の高速道路で距離感がつかめない」
という方のために、状況に応じた安全な走り方をレクチャーしています。


愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
服部 寛嗣
2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
年間延べ約200名のサポートをしています。
中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
幅広い資格を保有。
2026年3月8日
