【安全知識】運転中にパンクやエンスト!「発炎筒」の使い方は?車が制御不能になった時の緊急脱出マニュアル
運転中、急に「ボンッ!」という破裂音がしてハンドルが取られたら。
下り坂でブレーキペダルが床まで沈んで、車が止まらなかったら。
想像するだけで怖いですが、車は機械である以上、いつ故障するか分かりません。
そんな時、頭が真っ白になってパニックになるか、冷静に対処できるかで、生死が分かれます。
今回は、万が一の時に命を守るための**「車のトラブルシューティング」**について解説します。

■ 1. まずは「発炎筒」を使えますか?
車が動かなくなった時、最優先すべきは「後続車に知らせること」です。
そのための道具が**「発炎筒(はつえんとう)」**です。
特に高速道路では重要です。後続車が猛スピードで接近してくるため、一刻も早く危険を知らせる必要があります。

使い方の手順
1 取り出す:ホルダーから外す。
2 キャップを外す:本体とキャップをひねって外す。
3 こする:キャップの先端についている「すり薬」で、本体の先端をこする(マッチと同じ要領)。
4 置く:赤い炎が出たら、車の50m以上手前の路面に置く。
有効期限と「LED」の選択肢
皆さんも発炎筒を見たことはあるかもしれませんが、**「有効期限」**があることはご存知でしょうか?
車検の時に期限が残っていれば通りますが、次の車検までに切れてしまうこともあります。一度ご自身で確認してみてください。
また最近では、**「LED非常信号灯」**も普及しています。
こちらは乾電池式なので有効期限を気にする必要がなく、車検にも対応している物も多くあります。
・LEDタイプ:夜間は非常に遠くから目立つ、長時間使える。
・従来の発炎筒:昼間でも煙と炎で目立ちやすいが、燃焼時間は5分程度。
どちらが良いかは一長一短ですが、いざという時に「使い方が分からない」「電池が切れてる」というのが一番危険です。
■ 2. シチュエーション別・緊急対応
① タイヤがパンク(バースト)した時
・症状:
「パンッ」という音と共に、ハンドルが大きく取られ、ガタガタと振動する。
・対処:
1 急ブレーキ厳禁!(スピンします)。
2 ハンドルを両手で強く握りしめ、車の向きを保つ。
3 アクセルを離し、自然に減速するのを待ってから路肩に寄せる。

② ブレーキが効かなくなった時
- 症状:
ペダルがフカフカになったり、カチカチに硬くなったりする。 - 対処:
- エンジンブレーキ(低速ギア)を使う。
- サイドブレーキを少しずつ引く(一気に引くとスピンします)。
- それでも止まらなければ、ガードレールや山肌に車体をこすりつけて、摩擦で止める(最終手段)。
③ エンジンが暴走した時
- 症状:
アクセルを戻しても回転数が下がらず、加速し続ける。 - 対処:
- ギアを**「N(ニュートラル)」**にする(エンジンの動力を切る)。
- ブレーキを踏んで路肩に止める。
- 停止してからエンジンを切る。
(※走行中に切るとハンドルやブレーキが重くなるので注意!)
■ 3. 対向車がはみ出してきたら?
故障だけでなく、相手のミスで危険が迫ることもあります。
もし、対向車がセンターラインを越えて正面衝突しそうになったら?
1 **警音器(クラクション)**を鳴らして警告する。
2 ブレーキで減速する。
3 それでもダメなら、**「左側(路外)」**へ避ける。
正面衝突は最も致死率が高い事故です。
右に避けると相手が戻ってきた時に衝突します。
「畑やガードレールに突っ込んででも、正面衝突だけは避ける(左へ逃げる)」という覚悟が必要です。
■ まとめ|知識がパニックを防ぐ
今回のポイントを整理します。
1 発炎筒の場所と使い方を確認しておく。
2 パンク時は急ブレーキを踏まない。
3 ブレーキ故障時はこすりつけてでも止める。
こうしたトラブルは「めったに起きない」ものですが、「起きないとは限らない」ものです。
頭の片隅に「こういう時はこうする」という知識があるだけで、いざという時のパニックを防げます。
愛知ペーパードライバースクールでは、
「発炎筒の実物を見てみたい」
「日常点検でトラブルを未然に防ぎたい」
という方のために、実車を使った安全講習も行っています。


愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
服部 寛嗣
2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
年間約200名のサポートをしています。
中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
幅広い資格を保有。
2026年3月5日
