【安全知識】名古屋で雪が降ったら運転できる?ノーマルタイヤの危険性と、橋の上で起きる「ブラックアイスバーン」の恐怖
「名古屋ではめったに雪は降らないから大丈夫」
そう思っていませんか?
しかし、年に数回、寒波がやってきて数センチ積もっただけで、名古屋市内の交通は大混乱に陥ります。
坂道で登れなくなった車、橋の上でスリップして動けない車……。
雪道運転の経験が少ないペーパードライバーの方にとって、冬の道路は**「未知の危険」がいっぱいです。
今回は、冬の事故を防ぐための「装備の鉄則」と、見えない氷「ブラックアイスバーン」**について解説します。

■ 1. 「ノーマルタイヤ」で雪道は違反です
まず大前提です。
雪が積もっていたり、凍結していたりする道路を**「ノーマルタイヤ(夏用タイヤ)」**で走ることは、**法令違反(公安委員会遵守事項違反)**です。
(※反則金6,000円など)
「ゆっくり走れば大丈夫」は通用しません。
雪道でノーマルタイヤは、ゴムが硬くなって全くグリップせず、**「ソリ」**に乗っているのと同じ状態になります。
冬の装備の種類
1 スタッドレスタイヤ:
冬用タイヤ。雪道・凍結路面でも走行可能。
2 オールシーズンタイヤ:
軽い雪には対応できるが、凍結路面には弱い。
3 タイヤチェーン:
ノーマルタイヤに装着する緊急用装備。

【体験談】15分で路面が真っ白に!
15年ほど前、一度だけノーマルタイヤで雪道を走りかけたことがあります。
その日は雪が積もる予報ではなかったため、気にせず車で出かけました。
当時は名東区に住んでおり、お昼過ぎに用事を済ませて天白区を自宅方面に運転していました。
最初はうっすらと雪が降り始めた程度で、道路上の雪もすぐに溶けていたので気にしていませんでした。
ところが、次第に雪の粒が大きくなり、気が付くとわずか15分から20分程度で路面が真っ白になってしまったのです。
当時の私の車はノーマルタイヤ。雪道を走れる状態ではありませんでした。
幸い、天白区の植田駅周辺だったため、すぐさま近くのコインパーキングに車を止め、地下鉄で帰る決断をしました。
車を止める際、歩道スロープのわずかな段差(5センチ程度)を上るのさえ滑る状態でした。
実際、周辺では何台か立ち往生しており、予報にない急な積雪でパニック状態になっていました。
「無理をしない」という判断が、事故を防ぐ唯一の方法です。
■ 2. 濡れているだけ?「ブラックアイスバーン」の罠
冬の運転で最も怖いのが、**「ブラックアイスバーン」**です。
一見すると、ただのアスファルトが**「黒く濡れているだけ」**に見えます。
しかし実際は、表面が薄い氷の膜で覆われており、ツルツルのスケートリンク状態になっています。
「雨で濡れているだけだな」と思ってブレーキを踏んだ瞬間、車が回転して制御不能になります。

発生しやすい場所(名古屋でも注意!)
・橋の上・陸橋:地熱がないため、風で冷やされて一番最初に凍ります。
・トンネルの出入り口:風の通り道になりやすい。
・日陰の場所:昼間でも溶けずに残っている。
【目撃談】矢作川にかかる「葵大橋」
自動車学校時代の先輩から聞いた話です。
非常に寒い日の朝、岡崎から豊田方面に向かう矢作川にかかる**「葵大橋(あおいおおはし)」**で、複数の車両が動けなくなっているのを目撃したそうです。
おおよそ500mの長さの橋の途中で、5台ほどの車両が立ち往生していたとのこと。
橋の上は、地面の熱が伝わらないため非常に凍りやすいのです。
■ 3. 雪道運転の「3つのタブー」
もしスタッドレスタイヤを履いていても、運転方法を間違えれば滑ります。
雪道では、「急」のつく操作は厳禁です。
1 急発進しない:
アクセルをグッと踏むとタイヤが空転します。クリープ現象を使って、じわーっと発進しましょう。
2 急ブレーキしない:
一気に踏むとタイヤがロックして滑ります。ポンピングブレーキや、エンジンブレーキを使って、早めに減速を開始してください。
3 急ハンドルしない:
タイヤの横方向のグリップは弱いため、急に切るとスピンします。
「わだち」は外さない
雪道では、前の車が通った跡**「わだち」**に沿って走るのが安全です。
わだちから外れると、雪の抵抗でハンドルを取られたり、タイヤが雪に埋まって動けなくなったりします。
また、見えない排水溝に脱輪したり、歩道の縁石に乗り上げて動けなくなる(スタックする)場合もあります。

■ 4. やっちゃダメ!「お湯をかける」
最後に、冬の朝のトラブルです。
フロントガラスがカチカチに凍っている時、早く溶かそうとして**「熱湯」**をかけていませんか?
絶対にダメです。
急激な温度変化で、ガラスが「パリーン!」と割れることがあります。
・正解:解氷スプレーを使うか、デフロスター(エアコン)で内側からゆっくり溶かす。
・駐車時の工夫:ワイパーを立てておく(ゴムが凍りついて張り付くのを防ぐため)。

■ まとめ|「乗らない」も立派な安全運転
今回のポイントを整理します。
1 雪道・凍結路面でのノーマルタイヤは違反&危険。
2 黒く濡れている道は**「ブラックアイスバーン」**を疑う。
3 橋の上や日陰は、特に慎重に走る。
愛知県のような「たまにしか降らない地域」こそ、ドライバーの雪道経験が不足しているため、事故が多発します。
スタッドレスタイヤを持っていない場合は、**「雪の日は運転しない(バスや電車を使う)」**という判断が、最強の安全運転です。
愛知ペーパードライバースクールでは、
「冬の間に運転の練習をしたい」
「スタッドレスタイヤの選び方や履き替え時期を知りたい」
という方のご相談にも対応しています。


愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
服部 寛嗣
2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
年間約200名のサポートをしています。
中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
幅広い資格を保有。
2026年3月4日
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