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【法令解説】車が故障したらロープで引っ張っていい?「けん引」のルールと、プロが絶対に「レッカー」を勧める理由

ドライブ中、急にエンジンが止まって動かなくなってしまった……。
そんなトラブルに見舞われた時、あなたならどうしますか?

自動車学校の教習で「ロープで車を引っ張る方法」を聞いた記憶をお持ちの方も多いかもしれません。

「友人の車とロープでつないで、近くの整備工場まで引っ張っていこうかな?」

そう考えても、実際にそんな光景を見たことがある方はほとんどいらっしゃらないので、「本当にやっても良いの?」と心配になってしまいますよね。

このロープで車を引っ張る行為が、いわゆる**「けん引(故障車けん引)」**です。

実はこの行為、法律上は認められていますが、**「めちゃくちゃ難易度が高く、危険な行為」**だということをご存知でしょうか?

今回は、意外と知らない**「けん引のルール」と、安易にロープで引っ張ってはいけない「理由」**について解説します。


■ 1. 原則:「けん引」には特別な免許が必要

まず、通常のけん引についてです。
キャンピングトレーラーやボートトレーラーなどを引っ張る場合、以下の条件が必要です。

1 けん引するための構造:
きちんとしたけん引装置(ヒッチメンバー等)があること。

2 免許:
車両総重量が750kgを超える車両をけん引する場合、**「けん引免許」**が必要。

    つまり、レジャーなどで車を引っ張るには、専用の装備と免許が必須です。

    けん引免許が必要な大型トレーラー


    ■ 2. 例外:「故障車」ならロープで引っ張れる

    しかし、**「故障車」**を移動させる場合に限り、例外的なルールが適用されます。

    けん引するための構造:
    専用装置がなくても、ロープなどでつなげばOK。

    免許:
    けん引免許は必要ない(それぞれの車両に合った免許でOK)。

    「なんだ、じゃあ引っ張ってもいいんだ!」
    と思いますよね? でも、ここには細かいルールがあります。

    ロープでけん引する時の絶対ルール

    1 間隔: 車の間は5メートル以内に保つ。

    2 目印: ロープの見やすい箇所に**「0.3m平方以上の白い布」**をつける。

    3 運転手: 後ろの故障車にも免許を持った人が乗ってハンドルを握る。

      この「白い布」を忘れると違反になりますし、後ろに誰も乗っていない状態で引っ張るのもNGです。

      ロープでけん引する場合の3つの条件

      白い布がない時は?

      いざという時のために、けん引ロープを持っている方はいるかもしれませんが、「0.3m四方の白い布」まで常備している方は少ないでしょう。

      そんな場合、代用品になるのが**「少し大きめの白いタオル」「レジ袋」**などです。中には、他に選択肢がなく白い肌着を使用した方もいるようです。

      ただ最近では、故障車けん引用のロープとして、あらかじめ白い布が付いたものも販売されています。もし購入を検討されているなら、そういった商品を選ぶのがおすすめです。


      ■ 3. なぜプロは「レッカーを呼べ」と言うのか?

      ルール上は可能ですが、私たちプロのインストラクターは、
      「ロープでのけん引は、極力やらないでください」
      と指導します。

      理由はシンプル。**「運転が難しすぎて危険だから」**です。

      エンジンが切れた車の恐怖

      故障車はエンジンがかかっていません。すると、どうなるでしょうか?

      1 ブレーキが効かない:
      倍力装置(ブースター)が働かないため、ブレーキが石のように硬くなります。全力で踏んでもなかなか止まりません。

      2 ハンドルが重い:
      パワーステアリングが効かないため、ハンドルが鉛のように重くなります。

        この状態で、前の車にロープで引っ張られるのです。
        前の車がブレーキを踏んだ減速したところ、後ろの車(ブレーキが効かない)が追突する……という事故が非常に起きやすいのです。

        【体験談】パワステ故障時の重さ

        以前、自動車学校で勤務していた時に、使用していた教習車のパワーステアリングが急に故障したことがあります。
        たまたま場内課題の最中だったのですが、お客様から「なんか変です」「ハンドルが動かない」と申し出がありました。

        パワーステアリングが故障するとハンドルが極端に重たくなる

        すぐに助手席側からハンドル操作をしてみると、通常であれば右手一本で操作できるハンドルが、ものすごい抵抗感で重くなっていました。
        そのお客様に「ハンドルの補助装置が故障して、本来の重さになっていました」とご説明すると、その重さにかなり驚いたご様子でした。

        もし公道で、しかもブレーキも効かない状態でけん引されたら……と想像すると、その危険性がよく分かると思います。


        ■ まとめ|餅は餅屋、故障はレッカー屋

        今回のポイントを整理します。

        1 故障車のけん引に「けん引免許」はいらない。

        2 ロープには**「白い布」**が必要。

        3 エンジンが切れた車は操作不能に近いので、素人は手を出さない。

          今の自動車保険には、ほとんどの場合**「ロードサービス(レッカー移動)」**が無料で付帯しています。
          無理に自分たちで運ぼうとして、追突事故を起こしてしまっては元も子もありません。

          故障したら、迷わず**「保険会社」「JAF」**に電話して、プロのレッカー車にお任せしましょう。それが一番安全で、結果的に早い解決策です。

          レッカー移動が安心

          愛知ペーパードライバースクールでは、
          「万が一のトラブル時の対処法」
          「発煙筒や三角表示板の使い方」
          など、運転技術以外の安全知識もしっかりお伝えしています。

          愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
          服部 寛嗣

          2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
          10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
          現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
          年間延べ約200名のサポートをしています。

          中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
          教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
          幅広い資格を保有。

          2026年2月26日

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