愛知ペーパードライバースクール

新着情報

【法令解説】事故ってしまった!警察は呼ぶべき?パニックで逃げないための「事故対応マニュアル」と運転者の3大義務

「ドンッ!」という衝撃音。
運転中に事故を起こしてしまった瞬間、頭の中は真っ白になります。

交通事故を起こし電話する男性

「どうしよう、怒られる…」
「警察? 保険会社? どっちが先?」

冷静でいられる人はいません。しかし、この瞬間の行動一つで、その後の人生が大きく変わります。
「怖くなってその場を離れる」ことだけは、絶対にしてはいけません。

今回は、万が一の時に慌てず行動するための**「事故対応の鉄則(運転者の3大義務)」と、やってはいけない「NG行動」**について解説します。


■ 1. 事故が起きたら「3つの義務」を果たす

道路交通法では、事故を起こした運転者(加害者・被害者問わず)に対し、直ちに行わなければならない**「3つの義務」**を定めています。

この順番通りに動けば大丈夫です。

① 危険防止措置(二次被害を防ぐ)

車をそのままにしておくと、後続車が突っ込んできて「二重事故」になります。

1 ハザードランプを点ける。

2 車を路肩などの安全な場所へ移動する(動く場合)。

3 発炎筒や**停止表示器材(三角表示板)**を置く(高速道路では必須)。

    ② 負傷者の救護(命を守る)

    相手や同乗者が怪我をしていないか確認します。
    (※状況によっては、①危険防止措置より先に救護を行うこともあります)

    意識はあるか? 出血は?

    ・必要ならすぐに**「119番(救急車)」**を呼ぶ。

    ・AEDや止血などの応急手当を行う。

    ※むやみに動かすと症状が悪化する場合(首の痛みなど)があるため、危険がなければその場で救急車を待ちます。

    事故現場で応急救護をする男性

    ③ 警察への報告(110番)

    これが最も重要です。
    「軽い傷だから」「相手が急いでいるから」といって警察を呼ばないと、後で大変なことになります。

    ・場所(〇〇区の〇〇交差点、など)

    ・怪我人の数

    ・事故の状況

    これらを落ち着いて伝えてください。

    【実話】当て逃げされた友人の悲劇


    私が学生時代、友人が「もらい事故」に遭いました。
    接触後、双方が車から降りて話し合い、「安全のために車を路肩に寄せよう」ということになりました。

    ところが、加害者の方は車を移動させるフリをして、そのまま走り去ってしまったのです。
    友人はあっけにとられ、追いかけることもできず、とりあえず警察を呼びました。

    しかし、当時はドライブレコーダーもなく、相手の身元確認も済んでいなかったため、結局は**「加害者不明(当て逃げ)」**として処理されてしまいました。
    その後、友人は「自分の保険を使って等級を下げるか、自費で修理するか」という理不尽な選択を迫られ、とても悩んでいました。


    ■ 2. その場で「示談」は絶対NG!

    事故現場でやってはいけない最大のタブー。
    それは、**「当事者同士で約束(示談)をすること」**です。

    ・「修理代は私が払いますから」

    ・「警察は呼ばずに済ませましょう」

    ・「1万円で許してください」

    その場でお金を渡し示談にする男女

    これらは全てトラブルの元です。
    その場では「いいよ」と言っていた相手が、後から高額な請求をしてくることもあります。

    「お金や責任の話は、すべて保険会社を通します」
    この一言で、現場での話し合いは断ってください。


    ■ 3. 被害者になった時の対応

    もし、あなたが「ぶつけられた側」だった場合。
    相手が逃げてしまわないように、以下の情報を確保してください。

    1 相手のナンバープレート
    (※メモするより、スマホで写真を撮るのが確実です)

    2 相手の免許証・車検証
    (※これもスマホで写真を撮らせてもらいましょう)

    3 相手の連絡先(携帯番号)
    (※名刺は信用できません。その場で自分の携帯から相手にかけて、着信を確認してください)

      相手の身元確認は必須

      また、事故直後は興奮状態(アドレナリンが出ている)のため、痛みを感じないことがあります。
      「大丈夫です」と言わずに、必ず病院で診断を受けてください。数日後にむち打ちの症状が出ることは非常によくあります。


      ■ 4. 「逃げる」と人生が終わります

      最後に、一番怖い**「逃走(ひき逃げ・当て逃げ)」**についてです。

      当て逃げ:物損事故(怪我人なし)で逃げること。

      ひき逃げ:人身事故(怪我人あり)で救護せずに逃げること。

      特に「ひき逃げ」は、**「救護義務違反」という極めて重い罪になります。
      一発で
      免許取り消し(欠格期間数年)**になるだけでなく、懲役刑や高額な罰金が科せられ、仕事を失うこともあります。

      「怖くて逃げてしまった」
      その一瞬の迷いが、事故そのものよりも遥かに重い罪になるのです。
      事故を起こしてしまったことは仕方ありません。**「逃げずに対応する」**ことだけが、あなたを守る唯一の道です。

      ひき逃げをする車と被害者

      愛知県の交通事故事情

      多くの方がご存じかと思いますが、愛知県は交通事故がとても多い場所です。かつては、2003年から16年連続で**「交通事故死者数が全国ワースト1位」**でした。

      その不名誉な記録を返上しようと、警察では取り締まりを強化し、私たちインストラクターも安全運転の啓発に力を入れてきました。
      その甲斐あってか、**2025年には統計開始以来過去最少の死者数(112人)**となりました。
      何とか、交通事故で悲しむ方がゼロになる世の中を、皆さんと一緒に作っていきたいものです。


      ■ まとめ|「止まる・呼ぶ・待つ」

      今回のポイントを整理します。

      1 事故ったら**「ハザードで停止」**し、二次事故を防ぐ。

      2 怪我人がいたら**「119番」、いなくても「110番」**。

      3 その場で**「示談(約束)」**はしない。

        事故は誰にでも起こり得ます。プロのドライバーでも起こします。
        大切なのは「起こさないこと」ですが、もし起きてしまったら**「正しく責任を果たすこと」**です。

        愛知ペーパードライバースクールでは、
        「もしもの時の発煙筒の使い方」
        「事故現場を想定したシミュレーション」
        など、運転技術だけでなく、トラブル対応の知識もしっかりお伝えしています。

        愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
        服部 寛嗣

        2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
        10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
        現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
        年間延べ約200名のサポートをしています。

        中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
        教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
        幅広い資格を保有。

        2026年2月26日

        « »