【法令解説】前の車を抜かしたら一発アウト!?「横断歩道の手前」と「駐停車車両」のそばを通る時の絶対ルール
運転中、目の前にハザードランプを出して止まっている車がいたら、どうしますか?
「邪魔だなぁ」と思って、サッとハンドルを切って避けていませんか?
実は、その「避ける(追い越し・追い抜き)」という行為、場所によっては一発で違反切符を切られるだけでなく、重大な人身事故を引き起こす可能性があります。
特に危険なのが、**「横断歩道の手前」です。
今回は、意外と知らない「止まっている車のそばを通る時のルール」と、そこに潜む「死角の罠」**について解説します。
■ 1. ただの路駐?「側方通過」の基本
まずは、コンビニの前や路肩に止まっている「ただの駐車車両」を避ける場合です。
これらを避ける時は、**「ドアが開くかも」「人が飛び出してくるかも」**と予測する必要があります。
安全な間隔の目安
・普通車の場合: 1メートル以上あける
・大型車の場合: 1.5メートル以上あける
これくらい離れていれば、万が一ドアが開いても接触を避けられます。
【実例】中村区椿町(名古屋駅西側)
特に、名古屋駅に近い中村区椿町エリアは、路上駐車が非常に多いエリアです。
写真のように、道路の左右両側に路上駐車がいることも珍しくありません。

近隣には飲食店などのお店も多いため、商品の搬入トラックが止まっていることもよくあります。
さらに地域柄、歩行者も多いため、死角からの飛び出しに細心の注意が必要です。
■ 2. 絶対に止まれ!「横断歩道の手前」の車
次に、最も重要なルールです。
もし、車が止まっている場所が**「横断歩道の直前」**だったら?
この場合、その車の横を通り抜けるには、
**「必ず一時停止」**しなければなりません。

なぜ一時停止が必要?
横断歩道の手前(前後5メートル)は、本来「駐停車禁止」です。
そんな場所に車が止まっているということは、**「横断者がいて、道を譲るために止まっている」**可能性が極めて高いからです。

「ただの路駐だろう」と思って、一時停止せずに横をすり抜けると、車の陰から渡ってきた歩行者をはねてしまいます。
「横断歩道の前に車がいたら、罠だと思え」。これが鉄則です。
■ 3. 知らないと捕まる「追い越し・追い抜き禁止」
さらに、横断歩道には厳しいルールがあります。
**「横断歩道の手前30メートル以内」**では、追い越しも追い抜きも禁止されています。
・追い越し:進路変更して、前の車の前に出る。
・追い抜き:進路変更せず、横を通り抜けて前に出る。
どちらもダメです。
たとえ前の車(自動車・原付)がノロノロ走っていても、横断歩道の手前で抜かしてはいけません。
(※例外として、自転車などの「軽車両」を抜くことは可能です)
【恐怖の実話】教習中に起きたあわやの事故
私が自動車学校の指導員だった頃、実際に背筋が凍るような経験をしました。
路上教習中、横断しようとしている歩行者がいたため、お客様(運転者)はルール通りに減速・停止しようとしました。
ところが、後続車は「なんでこいつ止まるんだ?」とイライラしたのか、対向車線にはみ出しながら、教習車を追い越していったのです。

その瞬間、車の陰から歩行者の方が渡り始めていました。
幸い、歩行者の方が後続車のエンジン音に気づいて足を止めたため事故にはなりませんでしたが、もしそのまま渡っていたら……。
「前の車が減速したのには、必ず理由がある」
それを想像できないドライバーが、悲惨な事故を起こします。
■ まとめ|「止まっている車」は壁である
今回のポイントを整理します。
1 駐車車両を避ける時は、ドアが開くと思って1m以上空ける。
2 横断歩道の手前に車がいたら、必ず一時停止して安全確認。
3 横断歩道の手前30m禁止する。
停止している車は、視界を遮る巨大な「壁」です。
壁の向こうには、必ず誰かがいます。
「邪魔だな」ではなく「何がいるのかな?」と考える余裕を持ちましょう。
愛知ペーパードライバースクールでは、
「路駐の避け方が怖い」
「横断歩道付近での危険予測ができるようになりたい」
という方のために、名古屋の交通事情に合わせた実践的なレッスンを行っています。


愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
服部 寛嗣
2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
年間延べ約200名のサポートをしています。
中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
幅広い資格を保有。
2025年4月2日
