【法令解説】「徐行」って時速何キロ?名古屋の坂道や住宅街で事故を防ぐための、5つの徐行場所と判断基準
「ここは徐行してくださいね」
教習所でよく言われる言葉ですが、いざ公道に出ると**「具体的に何キロ出せばいいの?」「どこでやればいいの?」**と迷うことはありませんか?
実は、「徐行」は単に「ゆっくり走る」という意味ではありません。
万が一の時に**「即座に止まれる準備」**ができている状態を指します。
これを理解していないと、
・住宅街の交差点で自転車と接触する
・坂道の頂上で対向車と正面衝突しそうになる
といった事故に直結します。
今回は、自分の身を守るための**「徐行の定義」と、絶対に見落としてはいけない「5つの徐行場所」**について解説します。
■ 1. 「徐行」の定義=1メートルで止まれるか?
まず、徐行の具体的な速度についてです。
道路交通法では「直ちに停止できるような速度」とされていますが、プロの目安はこうです。
・速度の目安: 時速10km以下
・感覚の目安:ブレーキを踏んでから1メートル以内で止まれる速度
時速20kmや30kmは、徐行ではありません。
人が歩く速さ(時速4km)より少し速いくらいまでが徐行の範囲です。
「えっ、そんなに遅いの?」と思うかもしれませんが、死角から子供が飛び出してきた時、時速20kmでは止まれません。**「何かあったら瞬時に止まる」**という覚悟の速度が徐行なのです。
■ 2. 法律で決まっている「5つの徐行場所」
道路交通法では、以下の5つの場所で徐行が義務付けられています。
① 「徐行」の標識がある場所
これは分かりやすいですね。逆三角形の「徐行」標識を見たら、即座に速度を落としてください。

② 左右の見通しがきかない交差点
ここが一番重要です。壁や塀で左右が見えない交差点は、徐行必須です。
(※ただし、信号がある場合や、自分が優先道路を走っている場合は除きます)

一本路地に入った住宅街では、とても見通しが悪い場所が多いです。
また、そのような場所では交通量も少なく、歩行者や自転車の方も「車は来ないだろう」と油断が生まれやすいものです。
一方で、そういった路地は信号もないため、**「抜け道」**として利用するドライバーが多いという危険な側面もあります。
③ 道路の曲がり角付近
見通しが良くても悪くても、曲がり角は徐行です。
遠心力で膨らんで対向車とぶつかるのを防ぐためです。

④ 上り坂の「頂上」付近
名古屋のドライバーに特に注意してほしいのがここです。
**「上り坂の頂上(てっぺん)」**は、その先が見えません。
対向車がはみ出してきているかもしれませんし、渋滞で車が止まっているかもしれません。
頂上を超えるまでは、アクセルを緩めて徐行してください。

名古屋市は比較的に平らな場所が多いものの、緑区鳴海エリアや昭和区八事エリア、千種区鹿子町エリアのように、アップダウンの激しい坂道が多い場所もあります。
特に頂上付近は、坂を超えた先の状況が捉えにくいものです。
「頂上の向こうには何かある」という危険予測が重要です。
⑤ 勾配の急な下り坂
急な下り坂も徐行場所です。スピードが出すぎて止まれなくなるのを防ぐためです。
(※一般的に、勾配が10%以上の坂が目安とされています)

■ 3. 「優先道路」でも徐行する勇気
法律上は、「優先道路(中央線が通っている道など)」を走っていれば、見通しの悪い交差点でも徐行義務はありません。
しかし、「ルール上の優先」と「実際の安全」は別物です。

名古屋の狭い道では、相手(一時停止側)が止まらずに突っ込んでくることが多々あります。
特に、本来であれば自転車も「止まれ」の標識に従う義務がありますが、実際のところは、そのまま通過していかれる方も多いものです。
過去のレッスン中にも、優先道路を走行中に自転車が横断してきてヒヤッとする場面は何度もありました。

プロのドライバーは、**「自分が優先道路であっても、見通しが悪ければアクセルを離して(構えブレーキ)、必要に応じた速度で通過」**します。
「優先だから大丈夫」ではなく、「相手が見えていないかもしれない」という**「かもしれない運転」**こそが、最強の安全対策です。
■ まとめ|徐行は「臆病」ではなく「賢さ」
今回のポイントを整理します。
1 徐行は時速10km以下(1mで止まれる速度)。
2 **「見通しの悪い交差点」と「坂の頂上」**は要注意。
3 優先道路でも、死角があるなら危険を予測する。
徐行をすると「後ろの車に迷惑かな?」と気にする方がいますが、事故を起こすより100倍マシです。
危険な場所では堂々と速度を落とし、安全を確認してから進む。それが「運転がうまい人」の行動です。
愛知ペーパードライバースクールでは、
「どれくらい速度を落とせばいいか分からない」
「自分が遅すぎる気がするけど、怖くてアクセルが踏めない」
という方のために、名古屋のさまざまな道路を使った実践レッスンを行っています。
[ LINE相談・ブログの感想もお持ちしております ]


愛知ペーパードライバースクール 名古屋校 代表
服部 寛嗣
2011年から名古屋市内の指定自動車学校で勤務し、
10年間で延べ25,000名以上の技能・学科指導を担当。
現在は出張専門のペーパードライバー講習を行い、
年間約200名のサポートをしています。
中型・二種・大型二輪を含む複数の免許、
教習指導員・技能検定員・高齢者講習指導員など
幅広い資格を保有。
2025年3月17日
